2014年2月某日宵の口、仕事を終えた私は33GT-Rに乗って職場を出てすぐの舗装の悪いデコボコ道を走っていた(BMW 335i とのバトル参照)。
我が33Rは車高調の中では比較的柔らかいとされる
トラスト・ハイパフォーマンスダンパーを装着しているものの、ギャップを超えるたびに内臓に衝撃がやって来るのでここでは速度を落とさざるを得ない。


        


と、そこへ後方からフォルクスワーゲン・ゴルフTSI (1.4L 140PS)がやって来て、我が33Rの背後にぴったりと張り付いてきた。
これまでこの道を通るたびに多くの車に煽られてきたが、この新型ゴルフの接近のしかたは尋常ではなかった。
ミラーで確認しても、バンパー・トゥ・バンパーであるためゴルフのヘッドライトの光が一切見えない。



超接近走行をおこなう愚か者は、前車と本当にぶつかってしまわないようにブレーキをこまめに踏んで車間を調節しているものである。
そのようなせせこましい努力をするくらいなら、いっそのこと堂々と相手にぶち当たれば良いではないか。



彼らの目的はあくまでも嫌がらせであり、本気で事を構える気概など有してはいない。相手が反撃しないことに甘んじているだけである。
個人がウェポンを携帯する海外においては、このような挑発的行為を行うことができるのは命のやり取りをする覚悟のある者だけである。



いずれにせよ、このような半端な輩の多い日本はまだまだ未成熟な国だと嘆かざるをえない。





さて、そこから少し進み2車線の国道バイパスに合流した。帰宅ラッシュの時刻ということもあり、道は比較的混雑していた。
バイパスに移り、ゴルフが我が33Rを出し抜こうとモーションしたのが見えたので私は普段より多めにアクセルを開けて阻止を試みた。



ゴルフはいったん諦めるもなお激しく煽り続けてきた。
もはや看過できぬ挑発行為である。私は自衛権を発動する必要ありと判断し、”ウォッシャー液攻撃” を開始した。



トリガーを引いた3秒の間に、数百発の弾丸がゴルフに注がれる。
ルーム・ミラーで確認すると、ゴルフがワイパーを作動させていた。
追加攻撃の必要ありと判断し、私はさらに3秒間砲撃を加えた。



しかしゴルフの激しいベタ付け走りは相変わらずであった。
残念ながら、 ”ウォッシャー液攻撃” は無効に終わったようだ。稀に見るしつこいヤツだ。



道は右車線も左車線も車で塞がっており、武力に任せて状況をクリアすることもできない。
私の手持ちのカードはもうない。



ここでゴルフは隙をついて車線変更し、我が33Rをパス。そして我が前方に素早く割り込んできた。
我が33Rと前車との車間をギチギチに詰めることで、ゴルフが前に割り込むのを阻止することもできなくはなかったが、そのような一般車に迷惑をかける小細工は私のポリシーに反する。
・・・そして、この混雑した道路状況下ではもはやゴルフに対し反撃するチャンスは無いことを私は理解していた。



今回は実に後味の悪い、見苦しい争いであった。一般道におけるこの種の闘いは、普段人前では大人しくしている人々の心に潜む悪を如実にあぶりだす。
恥を忍んで本事例を報告することは、戦技課程を主宰する私のささやかな義務と考える。




                        
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