2007年某日、マイク自動車道下り線シエラ峠にて、追い越し車線を愛機JZS147アリストで巡航していると、前方に1台のベンツを発見。
W211E550387ps/54kg
)であった。


     


私はアリストをE550の後方50フィートに配置し、ロック・オン態勢をとった。道が混んでいることもあってか、E550に動きはみられない。
ここでE550の前方がオールクリアになると、マフラーから黒煙が広がると同時にその車体は一気に加速。



”おー,ヤル気やんけ、このベンツ。そうこなくっちゃ! ”



我がアリストも即アクセル全開。少し引き離されたが全力で追いかける。
道は比較的混んでいたため、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す状況となった。しばらくE550に食らいついていると、突然E550は左に車線変更した。
私が追い抜くと、
E550はすかさず再び左車線に戻り、今度は逆に
我がアリストの背後をとってきた。後追い作戦と来たか。



シエラ峠を抜け、キロICを過ぎると、サイドに工場を眺めながら数マイルに渡る長い直線区間が存在する。ここでは、ポルシェ・ボクスターなど 、多くの強敵と戦ってきた。後ろのE550はアリストをなめているのか、80フィートも車間を空けてついてきている。



前を遮るものは何もない。さあ、そろそろ決着を着けよう。私はアリストのアクセルを床まで踏みぬいた。
速度計の針は既に
5時のストッパーで止まっており、ここから勝負だ。



        


100ノット・・・・110ノット・・・・120ノット・・・・125ノット・・
超高速域に突入した。



しかし、ダメだった。
E550を引き離せないばかりか、敵はさらに接近してきた。




”げッ、凄 げ〜トルクッ! ”



アリスト・スープラに搭載される3Lツインターボユニットの2JZ-GTEは、その脅威的なまでの耐久性から、チューンすれば腰下ノーマルの600PSも可能ではあるが、ノーマルのカムでは十分に空気をエンジンに送り込めず、高回転でのパンチに精彩を欠くのだ。
一方、ベンツE550は、カタログ・スペックとして387PS、54kgを掲げるが、それはどうやら掛け値なしの値のようだ



ついにE550は左車線から我がアリストの横に並んできた。
E550の後席には子供が乗っているのが見えた。なんという屈辱か。

長いストレート区間が終わると、コーナーセクションが待ち構えていた。E550はアリストを抜くことなく引き下がり(家族が同乗しているのだから当然であろう)戦線から離脱、バトルは終了となった。

今回の話は、大排気量ベンツの恐ろしさをまざまざと私に刻み付けた、思い出深い負け戦である。



                          
                             
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