マセラッティ・クアトロポルテ
からの追撃を振り切ろうと追い越し車線を加速中、前方にアウディA8を発見。
アウディA8といえば、ベンツSクラスやBMW
7シリーズの陰に隠れがちな存在であるが、その高速機動性・安定性は世界トップクラスと言っても過言ではない。
その理由は、なんといっても3m近いロングホイルベースに4WDが組み合わされることによる。
アウディA8の左右のマフラーから、かすかな黒煙が広範囲に噴出されている。
つまり、それは通常の追い越し走行ではなく、明らかにアクセル全開の走りであった。
こちらも即全開にしてアウディA8を追いかける。
アウディA8は300Rのコーナーに国産リミッターを超える速度で突入。
やはり大排気量ジャーマンエクスプレスは文句なく速い。
A8のドライバーはその高速性能を確信犯的に発揮しているようだ。
タービン交換仕様のRであってもほとんど余裕はない。
背後の我が33RはA8から小石のマシンガン攻撃を受ける。
全力で逃げているにもかかわらず後ろに張り付かれる
― A8にとっても、
この状況下で冷静を保つことは難しいだろう。
コーナーを少しでもショートカットしようとしてA8のタイヤが縁石的な窪みにのり、それを修正しようと車体が乱れる。
A8ドライバーの切羽詰まった心理状況が見て取れる。
ついに、コーナーの立ち上がりでA8は左に車線変更。私はそのまま全開で踏みぬきA8をぶち抜いた。
しかしA8はまだ戦意を失っていなかった。
そのあと直ぐに料金所があるため、ブレーキング競争となった。
下り坂で120ノットからの制動のために、我が33Rのブレンボは1発でフェードしかかり、危なくETCのバーに突っ込むところであった。
その後、隙あらばリベンジを狙ってくるアウディA8、マセラッティ・クアトロポルテを後に従えて、目的地のマイクICまでの30マイルを走った。
マセラッティ・クアトロポルテ
すてごろ日記