2013年6月のある日の昼下がり、職場より帰宅中、交差点で停車すると前に停まるフォルクスワーゲン・ポロの運転手が外国人であることに気が付いた。
このような田舎であっても、最近では外国人ドライバーをたまに見かけるようになってきた。



先日などは外国人が運転するドリ車のS
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シルビアを街で見かけた。走り込んで割れたエアロパーツにブリッドのバケットシートと、どこから見ても典型的な ― 正確に言えばひと昔前に流行った ― ドリフトマシンであった。
すれ違う時、互いに“オッ!”という感じで目が合った。一体、彼は本場日本にドリフト留学にでも来ていたのであろうか? 



シルビアの話はさておき、そのフォルクスワーゲン・ポロのドライバーは、よく見るとミラーでチラチラとこちらの様子をうかがっていた。
そして信号が青になると、わが
33Rを意識したのかしないのかは分からないが、かなり激しい車線変更と無理な割り込みを繰り返しながら、比較的混み合った2
車線の国道を前に前に進んでいった。その荒い走りは、動画の投稿サイトに見られるような、日本とはスケールの違う外国人ならではのモノであった。



しばらくして高速道インディア・ヤンキーICに至ると、フォルクスワーゲン・ポロはゲート入りし、その直後に我が
33R
も続く形となった。これは面白いことになったと私は思った。



しばらくは片側 1車線の高速道であるが、2マイル先にすすむと追い越し区間が存在する。
ポロは我が
33R
を背後にして前方の一般車を煽りまくっていた。
私は来るべき戦闘について作戦を立てていた。どうやってこのポロをしとめるか?



以前
プリメーラ に乗っている時、一度高速道でフォルクスワーゲン・ポロに辛酸を舐めさせられたことがあった。片側単車線の高速道であったが、背後からマダムが運転するポロが接近し、激しく煽ってきたのだ。私はプリメーラを60ノットから80ノットまで加速して振り切ろうとしたが、速度を上げた分だけポロも速度を上げ、イヤらしく煽り続けられたのであった。
実際、プリメーラを含む2L以下の国産マシンにとり、たとえフォルクスワーゲン・ポロであっても、高速道では手ごわい相手となりうる。
”スピードを出せば出すほど路面に吸いつく” ”速度感がないので自然にスピードが出る”などと盲(めし)いたことを申すドイツ車オーナーが世に踊るご時世なのだ。


   


話が脱線した。
さて、追い越し区間が来ると外国人の運転するポロは車線変更し、煽っていた一般車を追い抜いた。
ではバトル開始。出力差が十分にあるので落ち着いて正攻法で行こう。
しかし、ポロの背後に位置するやいなや、ポロはすぐに左に車線変更し、わが
33Rに道を譲った。



島国に生きる我々日本人は、グローバルな闘いに通じているとは言い難い。一方、周辺と陸続きである諸外国の民は、相手に応じて実利的に状況を判断する術に長けている。
過去のポロに対する悔しい記憶のためだろうか、冷静さを失っていたのは私の方かもしれない。


                    

      
                           
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