プリメーラ VS BMW 323i

  
それは忘れもしない、ある梅雨の日であった。

マイク自動車道下り線インディア峠登坂車線をプリメーラ で走行中、後方からダークグレーのBMW323iが接近。

私は速度を80ノットまで上げてBMWからの離脱を試みたが、背後にベタ付され、道を譲ることを要求された。

登坂車線も混み合っていたため、当機も道を譲るに譲れない状況であった。

若い女が2人、BMWの運転席と助手席に座っているのが確認された。


   


登坂区間が終わって、その後片側1車線が10マイルほど続いた。

のんびり走る軽トラなども多く、高速道路といえどもペースは上がらない。その間、BMW323iは我がプリメーラの背後にぴったり張り付き、執拗に煽ってきた。

実にイヤな奴らだ。

目的地まで直線区間はほとんど無く、ウェット路面であることから、パワーがなく、リミッターも付いているプリメーラであっても勝負できないことはない。

私は闘志を燃やした。

     
   


ユニフォームICに至ると、道が2車線になった。

殺気を殺した走りに徹していた私は、追い越し車線に移るや否やアクセルを全開。穏やかな雨の中、覚悟を決めて90ノットまで上げ、323iを引き離しにかかった。

この隙にBMWと100フィート以上離れたが、それ以上は離れない。どうやら323iも負けじと必死に追いかけているのであろう。稀に見るしつこい女達だ・・。

やがて前方に一般車が現れて、バトルは一時中断。BMW323が我がプリメーラに追いついてきて、再びテールにピタリと張り付いてきた。

私はプルプル震える両手を落ち着かせるべく呼吸を整えた。


   


山間の町オスカーに至ると、道は再び2車線になった。

後ろからぶち抜いて力量差を分からせぬ限り勝敗は決しないと考えた私は、BMWを先行させることにした。

道を譲られたBMWは一瞬たじろいだように見えたが、すぐにアクセルオン。

引き離されぬよう
プリメーラを後につけて後半戦開始。やばいくらいスピードがのった先に200Rの右コーナーが迫る。

コーナーでインをさそうと考えていたが、それは見事に打ち砕かれた。なんとBMWはスピードをのせたままそのコーナーをクリア。

BMWは立ち上がりのストレートでもそこそこ踏んでおり、結局そのあと我がプリメーラが再びBMW323iを抜き返すチャンスはなかった。



” ・・俺は負けたのか? 走り屋の俺が、多くの敵と戦ってきた俺が、BMに乗る女ごときに・・・ ”



私はその後、何度も本バトルを振り返り、反省と検討を重ねた。

本バトルにおける最大の誤りは、相手の技量と戦意を侮っていたこと、さらに自機より性能が同等以上の敵機に対してガチンコで勝利すべく後半バトルデザインを組んだことであろう。

もともと本バトルは引き分けに持ち込むことを目的とすべきであり、敵の攻撃をいかにブロックするかが勝負のポイントであったのだ。

相手を打ち負かしたい感情に理性が負けて、私は誤った判断を下してしまったのだ。

そして、本件のような外国機による挑発・侵略行為に対処するため、私は制道戦闘機
スカイラインGT-Rを導入することを決定した。




                              
すてごろ日記 








 

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