JZS147 トヨタ アリスト 3.0V 


      

2004年のある晩、私PS13シルビア・ターボで国道バイパス40knotで快調に走っていると、後方に1台のクルマを発見。
そいつは急速にわがシルビアに
接近し、背後で
ロック・オンしてきた。



私は瞬間的に
アクセルを踏み込み、背後の敵から離脱を試みた。
しかし相手も瞬時にトルクを立ち上げ加速。背後から全く引き離すことができない。



”何なんだ、この加速は! ダメだ・・・ ”



2台の速度は70knotを超えた。
前方の信号が赤になり、両車が減速する。
信号でそいつは我がシルビアの横に並んで止まった。



”ア、アリストだ! どおりで速ぇ訳だ・・・ ”



この流れで行くと、信号が青になった瞬間ゼロヨン勝負になる。
シルビアでは3Lターボのアリスト相手にとても勝ち目はない。いや、そもそも半端な走り屋である私には本気モードの走り屋相手に真っ向勝負した経験などない。勝負自体が怖い・・。
信号が青になると、私はさも最初からここで曲がるつもりであったと言わんばかりにウインカーを点け、郊外の閑散とした交差点にタイヤのスキール音を響かせながら軽いドリフト状態で右折し、その場を逃れた。



 
私は峠を攻めたりドリフトを身に着けるだけでは、どうしても太刀打ちできない相手が存在することを悟った。
しばらくして、私はシルビアを手放し、147アリストターボを購入した。それまでシルビアを卒業したらツアラーVにステップ・アップしようと漠然と夢を描いていた私にとって、これはあたかも飛び級昇進するかの如き、自分でも意外な乗り換えであった。



初めてアリストの運転席に座った時、13シルビアではとうてい経験できないモビルスーツに包まれたような剛性感を感じた。
走ってみると、ノーマルにもかかわらずシルビアのブーストアップ以上にピックアップが鋭く、レスポンスが良いことに驚いた。
一体誰だ? 3リッターの2JZはトルクばかりでちっとも回らないなんて言ったのは?



以後、私のクルマ生活はドリフトから最高速に移行した。それからの4年間で、車高調、ブーストアップ、シュベーレン強化AT、ATクーラー、オイルクーラー、マインズロム、クスコ2wayLSD・・等、自分なりにこつこつとチューンナップを重ねた。
最初はデカいマークUくらいに考えていたスタイルも、だんだんと愛着がわき、カッコ良いと思うようになった。
とても大切にしていたアリストであったが、2008年のある秋晴れの早朝、朝露で濡れた高速道でセルシオを追い抜こうとアクセルを踏み込んだ時、強化ATによりスパンッとキックダウンが決まりリアタイヤが空転。75ノットでタコ踊ってガードレールに直行し、全損廃車となったのである (;_:) 。


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